あなたの隣にあるかもしれない「見えない貧困」

ナビ部アラカルト

2016/09/03

もう一つの高校 その1

9月から土曜日と日曜日はちょっと毛色の変わったコラムを連載する。土曜日は「もう一つの高校」

「ナビ部」を読んでくださっている高校生の皆さんの多くは、部活をしていると思う。部活をするには、高校に通う費用に加えて、さらにお金がかかる。

そのお金は、多くの場合、ご家庭が出してくれているはずだ。多くの高校生はそのことに感謝していると思う。経済的に余力があって、お金を出してくれるから、授業だけでなく、部活もめいっぱいがんばることができるのだ。

でも、そういうことをするのが難しい高校生もいる。

 

「ナビ部」編集部はいろいろな高校で取材をする。

私学の中には、本格的なトレーニング施設を持っていたり、外部から指導者を招いたりして、高校とは思えないほど立派な環境を完備した学校もある。公立高校でも、充実した部活ができる高校がたくさんある。

 

その一方で、そうじゃない高校もあるのだ。

 

どこのどの学校とはいえないが、部活と言ってもいつも人数が足りない、トレーニングウェアや用具も揃わない、そんな部活もあるのだ。

人数がそろわないのは、生徒が放課後、学費を稼ぐためにアルバイトをしているから。部費も滞りがちだから、用具や施設も満足に買うことができない。

そういう学校の部活の顧問の先生は「まず学校にでてこさせること」を目標にしている。

アルバイトをして学費を稼ぐような生徒は、学校を休みがちだ。中途退学する生徒もいる。授業に身が入らない生徒もいる。

先生たちは部活をすることで、少しでも「学校に行く目的」を作って、生徒たちを中退させないようにしようとしているのだ。

部活の目標も、そんなに高くはない。「試合に出ること」「1勝すること」だ。高校野球などでは「連合チーム」を作って、違うユニフォームの仲間と試合に出場することもある。

でも、そういう生徒が、街を歩いていたとしても、他の学校の高校生と比べて極端に目立つことはない。

彼ら、彼女たちの多くもスマホを持っていて好きな音楽をダウンロードしているし、流行のファッションにも敏感だったりする。

でも、こういう高校生の心の中をのぞくと、親から部活の費用を出してもらっているような高校生とは、違ったものが見えるかもしれない。

 

お金がないから、学費が続くかどうかわからない。高校を卒業しても、大学には行けない。奨学金を借りてでも大学に行きたいけど、それでも生活ができるかどうかわからない。

 

私たちは「貧困」という言葉を聞くと、アフリカがどこかの難民キャンプで、衣食住のすべてを奪われて、やせ衰えていく子供たちや、街で物乞いをうる子供たちをイメージしたりする。

確かに、それは深刻な話だし、私たちも何かしなければと思う。

でも、経済的に繁栄している先進国にも「貧困」は存在する。

その「貧困」は、「明日の食べ物がない」というものではない(そういう人々も日本に出てきていることは忘れてはならないが)。

とりあえず食べるものも、着るものも、住むところもあり、スマホやパソコンなどは何とか使うことはできるけれど、将来の夢を持つことができない、そんな「貧困」が増えているのだ。

そうした「貧困」は、パッと見ただけではわからない。

例えば、あなたの隣の席に座っている友人が「貧困」状態になっていることさえある。お父さんがリストラや倒産で、給料が貰えなくなって、貯金が底をつけば学費が払えなくなっているかもしれない。その友人の心の中には「将来の不安」が広がっているだろうし「貧困」という言葉がリアルに感じられるようになっているだろう。

 

日本のような先進国の「貧困」は、目には見えないが、高校生のすぐ隣にも存在しているのだ。

この連載では日本の「貧困」について、考えていこうと思う。お付き合いください。

 

Crick

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