なぜ豊かな現在に「貧困」が存在するのか?その2「貧困の再生産」

ナビ部アラカルト

2016/09/24

もう一つの高校 その4

日本企業が国際化し、「終身雇用」「年功序列」を基本とする日本の会社の在り方が変化してきたこと、正社員だけでなく、非正規という働き方が増え、将来が見えない人々が増えたことで「貧困」が生まれたことを説明した。
さらに日本では、そんな風に労働環境が変わっているのに、企業が「終身雇用」時代と同じような雇用しかしないために、一度会社を辞めてしまったら、正社員になることが難しいことも紹介した。これが「雇用流動性が低い」ということだ。

フリーターの登場

実は日本企業の変化は、昨日、今日始まったわけではない。

今から30年ほど前、日本は「バブル」と呼ばれる異常な好景気に沸いたが、その直後から非正規雇用の人々が増えている。

 

「フリーター」という言葉はバブルの時代に生まれた。当時は、組織に縛られず自由に生きる人、というイメージがあり、”かっこいい”ともみなされていた。

株式会社リクルートが、30年間フリーターで生きてきた人をヒーローのように扱ったこともあった。

なぜならこのころは、フリーターでも賃金は結構よかったし、人手不足だからいくらでも求人があったのだ。

しかしバブルがはじけるとフリーターのイメージは一気に変わった。

日本経済の低迷とともに、各企業は正社員の募集を縮小した。当時の大学生は、何十社回っても内定が取れなかった。「就職氷河期」という言葉もできた。

この時期に、多くのフリーター、非正規雇用の人々が生まれた。

この状況は、原則として今も変わらない。正社員の募集は少なく、非正規雇用が圧倒的に多い。

就職氷河期

バブルの崩壊から現在まで、20年以上の歳月が経っている。「就職氷河期」に正社員になれなかった人々は、非正規雇用で生活してきた。

そのまま家庭を持ち、子供を持つ人も出てきた。

非正規雇用で生活してきた人は、経済的に苦しい場合が多い。いつ仕事がなくなるかわからないし、賃金も安い。家庭を持っても、共働きをせざるを得ない。

非正規雇用は、重要な仕事を任されることはないから、知識や技術が身につかない。もともと日本企業では、35歳以上の正社員の募集は極めて少ない上に、ほとんどが「経験者」の募集に限られる。35歳近くまでフリーターをしていた人は、技術も知識も乏しい場合が多いから、正社員になるのは本当に難しい。

貧困の再生産の発生

そういう家に生まれた子供は、最初からハンディキャップを背負っているようなものになる。経済的に苦しいから、学校に進むこともできない。塾や習い事も難しい。時には中学時代からアルバイトをしなければならなかったりする。なかには、ネグレクト(育児放棄)に合う子供もいる。

ここではっきり断っておかなければならないのは、非正規雇用の家庭が全員そうだということではない。中にはそんな中で一生懸命働いてしっかりした家庭を作り、子供に教育をし、頑張っている親もたくさんいる。それは事実だ。

しかし、非正規雇用には経済的、社会的に不利なことは間違いない。苦しい生活を送っている人が多いのも事実だ。

非正規雇用の家に育った子供は、学歴が低い場合が多いので、就職も厳しくなる。親と同様フリーターの道を歩まざるを得ない場合が多いのだ。

こうして親も子供も非正規雇用、貧困に苦しくことを「貧困の再生産」という。

貧富の格差の固定と広がり

こうした現象が、どんどん広がっている。そして「貧富の格差」が固定し、広がっている。

これまで日本は「一億総中流社会」と言われた。みんなが同じような生活をし、同じような価値観を持っている。そしてみんな仲間のようだった。

犯罪が少なく、安全な社会は、「一億総中流社会」がベースになっていたのだ。

「貧富の格差」の広がりとともに貧困層の人々は、富裕層の人々を「仲間」とは思わなくなる。逆もしかり。今はまだ安全な社会だが、これから犯罪が増えるのではないかと心配されている。

「貧富の格差」が広がり、日本社会は、階層化が進んでいる。新しい「身分」が生まれているのだ。

 

 

Crick

この記事の感想をコメント欄にぜひ寄せください。

元気な部活応援!コンパスナビTV
2016年4月~2017年3月に放送された「コンパスナビTV」の動画や取材記事は、こちらでご覧いただけます。
サッカー ナビ部 全国高校 サッカー部ポータルサイト
吹奏楽 ナビ部 全国高校 吹奏楽部ポータルサイト
野球 ナビ部 全国高校 野球部ポータルサイト
主役はみなさん!ナビ部に出よう!
一般社団法人 青少年自助j率支援機構 コンパスナビ