フルートについて、三木楽器「WindForest」さんに徹底的に聞いた!
ナビ部アラカルト
2016/10/05
吹奏楽の楽器について、楽器販売のプロに今更聞けないことも徹底的に聞いてみた! その5
三木楽器「WindForest」渡辺邦啓さんに、吹奏楽の主要な楽器について徹底的に聞いていく。楽器の特色、ブランド、選び方、手入れの方法まで、徹底的にレクチャーする。第4回はフルート。
どんな楽器?
かつては木で作られていたが、今は金属(主として銀製、洋銀製)が主流。19世紀初頭にベーム式フルートが開発され、これが現代のフルートのもとになった。
材質、構造は?
三木楽器「WindForest」渡辺邦啓さん
フルートは 銀、洋銀(銅、ニッケル、亜鉛の合金)が一般的 他に金、プラチナ、木などのものもあります。
キイにも銀製、洋銀製があります。
頭部管、胴部管(主管)、足部管の3つのパーツに分かれます。
ピッコロはフルートから派生した楽器ですが、一般的にはピッコロ専任の場合が多く、人数の関係でフルート奏者が持ち替えでピッコロを演奏する場合があります。
どうやって音を出すか
フルートは横笛です。リードは使いません。
感覚でいうと、コーラの瓶を鳴らすような感じで音を出します。息を半分管に入れ、半分外に出す感じです。
オクターブキィがついていないので、奏者が息の流れで調整します。
どんなメーカーがある?
ヤマハ
ムラマツ
アルタス
サンキョウ
パール
ミヤザワ
値段の違いは?
お手頃な価格帯は全て洋銀で作られ銀メッキを施したモデル。
クラスが上がるにつれて、材質に銀を使用する部分が増え高価になっていきます。
◆クラスによっての素材の分かれ方
■総洋銀製 銀メッキ仕上げ
■リッププレートのみ銀製 他、洋銀製銀メッキ仕上げ
■管体銀製 キイ洋銀製銀メッキ仕上げ
■総銀製
材質によって音質や響きの違いがあります。
・洋銀製 鳴らしやすい 音は明るく軽い
・総銀製 音質は柔らかく、響きに厚みがあり遠くまで響く(遠達性がある)
アフターケアが必要な楽器なので、どのメーカーの楽器を、どこで買うかがポイントです。
手入れ
銀製、洋銀製銀メッキの楽器は、銀の特性で時間経過とともに変色が起こります。
この変色は空気中に存在する硫化水素と反応してできたもので、ある程度、硫化被膜ができることで響くがよくなるという人もいます。
直接口に咥え、縦に吹き込むクラリネットやサックスと異なり、唾液の流入は少ないですが、息を吹き込む事での結露が管内に発生します。
フルートのタンポ(PAD)にはブラダー(豚の腸を薄く延ばし乾燥させたもの)と羊毛を編み込んだフェルト材を使っており、水滴が付着すると、ブラダーが破れたり、フェルトが膨張収縮をし、息が漏れてなりにくくなります。
水滴はクリーニングロッドとガーゼで手入れをします。タンポはクリーニングペーパーを使用し水滴を取り除きます。
1年に2回~3回は楽器店に持って行って調整するのが、いい状態で使える秘訣です。
毎日使っていると音がおかしくなったり、鳴りにくくなっていても自分ではわからないことがあります。
鳴らなくなったからではなく、異常を感じなくても定期的に楽器店で調整するのがおすすめです。
まとめ
・フルートは頭部管、胴部管(主管)、足部管の3つのパーツに分かれる。
・リードは使わず、感覚でいうと、コーラの瓶を鳴らすような感じで音を出す。
・材質の違いで、価格、音色に差がある。洋銀性は安価で、銀を使う部分が多くなると高価になる。
・唾液の流入は少ないが、結露が管内に発生するのでこまめに水分を取り除く。
・1年に2回~3回は楽器店に持って行って調整する。
所在地 | 〒542-0081 大阪市中央区南船場3-10-5 Gビル心斎橋04A館 4F |
営業時間 | 11:00A.M.~8:00P.M. |
定休日 | 第3火曜日 |
TEL | 06-6251-4596 |
FAX | 06-6251-4576 |
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