「貧困」と「学歴」の関係 もう一つの高校 その6

ナビ部アラカルト

2016/10/09

もう一つの高校 その6

日本企業が在り方が変化して「貧困」が生まれたこと、貧困世代が子供を持つようになって「貧困の再生産」が生まれたこと、「セーフティネットの危機」によって人々を「貧困」から救う仕組みが成り立たなくなりつつあることを紹介した。
では「貧困」の危機に瀕した人々に必要なものは何だろう。これからは「学歴」について考えていきたい。

「技術」「知識」

病気やけがなどで働けなくなった人が「貧困」に陥らないために必要なものは「医療」「周囲の助け」などだ。

しかし、健康な人でも会社がリストラされたり、就職できなかったりして「貧困」の危機に瀕するときがある。

そういうときには、何が必要か?

直接的には、「技術」や「知識」だということができよう。

その人が、専門的な「技術」や「知識」を持っていたら、仕事を見つけやすい。例えば「調理技術」があれば、調理師になる道が開けるだろう。コンピュータの技術に精通していればIT関係の仕事に就ける可能性がある。

しかし、その人に「技術」「知識」があるかどうかは、一見してわからない。

そもそも就職するためには、会社などの試験や面接を受ける必要があるが、そこまでたどり着く前に書類選考で落ちてしまうことが多いのだ。

「資格」「学歴」

「技術」「知識」があることを証明するものとして、「資格」「学歴」がある。

「資格」とは、講義や実習を受けて、試験をパスし「技術」「知識」が一定のレベルに達したことを証明するものだ。「調理師」「一級建築士」「薬剤師」など。こうした資格には公的なものもあれば、私的なものもある。取得するのが大変難しい資格もあれば、それほどでもないものもある。

そういう「資格」を履歴書に書けば、「技術」「知識」があることがわかるので、一定の評価をしてもらえる。

 

「学歴」決定的な役割

「学歴」は、ある学校で一定期間学習をして、その学校を卒業したことを現すものだ。「学歴」は「資格」よりも幅広く、総合的な意味でその人に「技術」「知識」があることを証明している。

学歴には「理科系」「工業系」「医薬系」など、分野があるので、学歴を見れば、その人がどの分野に強いかがわかる。

「学歴」は、「資格」よりも取得するのに時間もお金もかかるので、より重要性が高いと言える。

実のところ「学歴」は仕事を得るうえでは、決定的な役割を果たしている。

 

「どの学校を卒業したか」の重要さ

「学歴」は、その人のすべてを証明するものではない。ある期間、その学校に通って勉強をしたというだけなのだが、日本など先進諸国では「どの学校を卒業したか」は、その人の人生に決定的な役割を果たすことがある。

官公庁や上場企業など「エリート」と呼ばれる職場では「学歴」が極めて重要だ。どの大学を出ているかで、就職できるかどうかが決まると言っても過言ではない。

それ以外の企業や職場でも、「学歴」は、非常に重要だ。正社員になったり、高い給料をもらうためには、一定の学歴がなければならない。

同じような学歴の人で交友関係ができるという現実

高校生の皆さんはピンとこないだろうが、社会人になると、日常、一緒に仕事をしたり、交友したりする人は、ほぼ同じくらいの学歴の人になっていく。

エリート大学の卒業生は、同じようなクラスの大学を出た人と交友することが多い。高卒で就職した人も高卒の人同士で付き合うことが多い。

中には病院のように医大を卒業した医師と、看護学校を卒業した看護士が一緒に仕事をする場合もあるが、そういうときにも、学歴は常に意識される。

 

「学歴社会」

あまりよくない言葉だが、「学歴」によって、日本は階層化されているのだ。

プロ野球のような実力本位の社会では、高卒(花巻東高)の大谷翔平選手が、大卒(早稲田大)の斎藤佑樹選手より、はるかに高い年俸をもらって立場も上になることはあるが、一般社会では「高卒」が「大卒」よりも高い給料をもらったり、高い役職に就いたりするのは極めて難しい。

つまり、本来、単なる経歴の一つに過ぎない「学歴」が、「身分」のような役割を果たしているのだ。

これを「学歴社会」という。

「学歴」が引き金になる「貧困の再生産」

貧困家庭にいる人々は、子供にも十分な教育費をかけることができないから、「学歴」も低いことが多い。そうなると人生のスタートの段階で大きなハンデを背負うことになる。

貧困家庭の子供が貧困になる「貧困の再生産」は、「学歴」が引き金になることが多いのだ。

昔の日本ではもともと身分が存在し、身分の低い家に生まれた人は、どんなに努力してもよい仕事には就けなかった。それに比べれば、学校さえ出れば一定の仕事に就く可能性が広がる「学歴社会」はまだましだともいえるだろう。

しかし「貧困の再生産」が進めば、学歴による身分社会が固定してしまう。

今の日本は、そういう岐路に立っているともいえる。

Crick

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