「学歴社会」の違う一面 もう一つの高校 その7 

ナビ部アラカルト

2016/10/16

もう一つの高校 その7

前の回では、日本の社会は「学歴」が非常に重要な「学歴社会」であることを紹介した。
エリート層は「学歴」で決まる。しかし、「学歴」が重要なのは、エリート層だけではないのだ。

進む高学歴化

今の日本社会の学歴別の人口構成を見てみよう。2015年時点。
まだ在学中の人がいる20代を除外し、全卒業生の学歴別の比率を出した。総務省統計局のデータなどを参考にした。

gakureki

高校生の皆さんの親の世代、45歳以上では、学歴別では最も多かったのは、高卒だった。

しかし、40歳以下の世代では、短大、高専卒以上が最も多くなっている。

さらに30代では、高卒と大卒以上の数字が拮抗している

大卒以上は、5年刻みで数ポイントずつ上がっている。。じりじりと日本人の学歴は上がり続けているのだ。

少子化が進む中で、大学や学部が今もどんどん生まれているのは、「大卒の学歴」がほしいと考える人が今も増え続けているからなのだ。

反対に、短大、高専卒は減少している。あと2年学校に通って「大卒」になろうと思う人が増えているためだ。

一方で「中卒」も存在する

一方で、少数とはいえ、中卒の学歴の人もいる。

日本の義務教育は、中学までだが、実質的に高校が義務教育のようになって50年近く経つ。しかしいまだに20人に1人は、中卒なのだ。

注目してほしいのは、30~34歳では、35~39歳よりもわずかながら増えていること。

日本人の高学歴化がどんどん進む中で、少しずつ貧富の差が広がり、階層がわかれつつあることはこの数字からも見ることができるのだ。

 

中卒で社会に出ると・・・

今、中卒で社会に出るとどうなるのか?

まず、正社員として企業に勤めるのは非常に厳しい。

今の求人は、一部業種を除いて、年齢、性別で選別してはいけないことになっている。

中学卒業でも、正社員の求人に応募することはできるが、一般企業の場合、就職できるケースはほとんどない。

いわゆる「ガテン系」といわれる土木・ 建築・ドライバー・調理師・メカニックなどの肉体労働系、職人系の職種では、非正規雇用で入っても、技術、知識を身に着ければ正社員登用も可能だが、それ以外では極めて難しい。

まず、他の社員より年齢が3歳若いことがネックになる。考え方や価値観が違うことが多いので、一緒に仕事をするときにギャップが生まれるのだ。体力面でもギャップがある場合が多い。

また、一般常識や学力のレベルが異なることもギャップになる。

確かに高校で勉強することの大半は、日常生活では、あまり役に立たない。一般社会で生活するには、中学卒業程度の知識、教養があれば問題ないのだが、中卒で社会に出る人の多くは、中学での学習が十分とは言えないため「中卒程度の学力」さえ身についていないことが多いのだ。

そういうこともあって、「中卒」という学歴は、大きなハンデを持っている。

本当は、みんな平等のはずだけど

日本国憲法には、

十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

と書かれている。性別、年齢、学歴などにかかわらず「幸福を追求する」権利があるとはっきり書かれている。だれでも努力さえすれば、自分が希望する仕事に就けて、豊かな暮らしを贈ることができると書かれているのだ。

しかしながら、実社会で生きていく上では、「学歴」は、「幸福を追求する」うえで大きな差を生んでいる。

 

大相撲も学歴社会?

大相撲は実力の世界であり、昔は中学卒業で入門することが多かった。しかし、今は実力があっても親が「高校だけは出ておきなさい」と高校進学を進めることが多いという。

また、相撲部屋に入門してから定時制高校に通う力士も多い。実力本位の相撲の世界でも「学歴」を気にする人が増えているのだ。

「学歴社会」と言えば、一流大学を出たエリート社員のイメージが浮かんでくるが、トップクラスとは反対の、低学歴の層でも「学歴」は大きくものをいうのだ。

定時制高校、通信制高校などの「もう一つの高校」は、そういう人々のために存在している。

 

 

Crick

この記事の感想をコメント欄にぜひ寄せください。

コメント

コメント

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
※が付いている欄は必須項目となります。
投稿いただいたコメントは、内容を確認をさせてもらった上で掲載させていただきます。

内容に問題なければ、下記の「投稿する」ボタンを押してください。
投稿後のコメントは編集できません。

きょうのことば

新しいアメリカ大統領が誕生した。それにちなんで、2月はアメリカ大統領のことば。
第40代ロナルド・レーガン(1911-2004)は、レーガノミックスでアメリカに好景気をもたらすとともに、東西冷戦を終わらせた。

元気な部活応援!コンパスナビTV
サッカー ナビ部 全国高校 サッカー部ポータルサイト
吹奏楽 ナビ部 全国高校 吹奏楽部ポータルサイト
野球 ナビ部 全国高校 野球部ポータルサイト
主役はみなさん!ナビ部に出よう!
一般社団法人 青少年自助j率支援機構 コンパスナビ