ドッチボールをしたり、魚釣りをして、ごはんを炊いて 親睦会ばかりだった 吹奏楽部

みてみて!うちの部活!

2016/07/14

イチカシ吹奏楽部 39年間の物語 1

平成27年度は全日本高等学校選抜吹奏楽大会でゴールデン賞・浜松市長賞1位、マーチングバンド関東大会・金賞、全日本吹奏楽コンクール金賞その他出場するコンクールはすべて優勝、何十年もその栄誉を保ち続けている吹奏楽部の名門。学校創立の1978年から39年間指導を続ける石田修一先生にその強さの秘訣をきいた

音はその人を反映する

現在は強豪校だが、ずっと試行錯誤のくりかえしだった

吹奏楽部は強豪校として順風満帆にみえるかもしれませんが、コンクールで安定してトップになれたのは平成に入ってからです。それまでは山あり谷ありで、試行錯誤をくりかえしました。
長年指導をしてきて確認できたことは、「奏でる音にはその人が現れてしまう」ということです。毎年3年生が引退し、1年、2年生での新体制になるときに、これから1年の目標を話し合って作らせます。自分たちに欠けていることはなにか、それを考え、努力目標にしています。目標は音楽の技術に関することではなく、生活態度のことです。なぜかといえば、音は敏感にその人を反映してしまうからです。自分勝手な態度だと独りよがりの音になる。マナーを守らないと雑な音になるのです。
現在、入部してくるのは中学生のときから楽器をやっている生徒がほとんどで、入部の理由を「もっと上手になりたいから」といいます。それにはまず、きちんとした生活をおくることだと伝えています。吹奏楽部員は1、2年だけで約180名、3年生も含めると260名くらいの大所帯です。その生徒たちひとりひとりが有意義な高校生活を過ごすために、自分を見つめることをはじめにしてもらいたいのです。

「借り物」だらけの初コンクール出場

最初は数十人からスタートした。廃棄処分になる楽器を中学校からもらって舞台をこなしたこともある

まず、吹奏楽部の創設のときの話をしましょう。
学校創立の1978年は私も音楽教師として本校に新卒で赴任し、4月に吹奏楽部を立ちあげました。楽器もないし、部員もいない、0からのスタートです。生徒が登校する朝と昼休みに昇降口でギターを演奏しながら、「オールミュージッククラブに入らない?」と勧誘しました。その結果、40〜50人が集まりました。楽器はまだ、自分で持っていたフルートとトランペットとギターだけしかありません。仕方がないのでドッチボールをしたり、利根運河で魚釣りをして、釣れた魚を焼いてごはんを炊いて食べたり、親睦会ばかりしていました(笑)。やっと楽器を買ってもらえたのは6月に入ってからで、そのとき部員は半分に減っていましたが、野球部の試合の応援を頼まれて、初めて合奏をすることができました。うれしかったですね。
次の目標は、8月の千葉県吹奏楽部コンクール。編成が小さい第一部門に14名で出場することにしました。トランペットを吹ける生徒が2人しかいません。コンクールでは見た目も大事なので、人数が少ないと舞台が貧相なので、サッカー部やバレー部の生徒に頼んでステージに並んでもらうことにしました。廃棄処分になるようなトランペットを中学校からもらって、助っ人の2人に「音は出さないで、吹く真似だけして」(笑)といって。運動部が終わると毎日30分くらい練習すると音が出せるようになりました。でも、へんな音がでては困る。トランペットの穴に脱脂綿をつめて、かっこだけを覚えてもらってコンクールに臨みました(笑)。その結果なんと第一部で準優勝してしまいました。当時はまだ金銀銅の表彰でない時代のことです。
すると、柏の市民新聞社が「楽器も借り物一年生」という見出しをつけて「新設したての市立柏高校の吹奏楽部には楽器経験者はたったの3人。楽器も借りたものでしたが、夏休みに猛練習した結果、準優勝獲得!」と記事にしてくれました。その効果もあって、次の年部員が26名増えて40名になりました。2年目のコンクールには人数制限なしの2部に出場して優勝、3年目は50名で優勝、4年目はいよいよ県の代表にまでなり、関東大会に出場しました。当時の関東大会は新潟、群馬、神奈川、栃木、山梨、埼玉、茨城、千葉8県から代表がでて、その中から4校が選ばれて全国大会出場しますが、本校は5番目でした。5年目は関東大会に出場しましたが、うまくいきませんでした。

優勝した学校を訪問し、「人間教育」に気づく

全国大会に出場する学校の練習を、ぴったりと先生にくっついて学んだ

どうして勝てないのかわからなくて、私は各地方で優勝し、全国大会に出場した学校を見学に行きました。見学というと、「だいたい練習は何時からはじまりますか」ときいて、練習時間に合わせて見にくる人が多いのですが、私は「先生はご自宅を何時に出られ、学校には何時に出勤されますか」ときいて、学校に出勤してから退勤するまで、先生にぴたりとくっついて見学させてもらうことにしました。こんなときに生徒にこんな話をするのかと、もらさず見聞きするわけです。その先生が授業をする姿もみせてもらう。私は学校から休暇をとってきていますから、時間に縛られずじっくりみさせてもらうことができて、多くのことが学べました。10校くらいの指導者にお会いしたことは財産になりました。
見学させてもらってわかったのは、どの学校も生徒に上手に演奏できる方法を教えているのではなく、生活態度や礼儀などの人間教育をしていることでした。学校に戻って早速、我が校でも吹奏楽部員に全校清掃をよびかけました。朝7時15分から7時30分まで生徒が登校する前に掃除を吹奏楽部員全員でやる。ピカピカになると、みんなの気持ちが引き締まって、演奏ぶりが変わってきました。

その2 続きはこちら

Crick

柏市立柏高等学校
千葉県柏市船戸山高野325-1

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