荻高バスケ部はまっすぐに監督・顧問にぶつかってくる、受け止めるためのエネルギーは半端じゃない 

みてみて!うちの部活!

2016/11/02

東京都立荻窪高校 男子バスケットボール部 女子バスケットボール部 4

土曜日の練習は激しい、すごい運動量だ。部員たちのパワーを全力で受け止め指導する監督・顧問たちの動きも相当なものだ。練習を終えて集まっていただいた顧問たちにお話を伺い、定時制高校の部活指導者の慈愛の心を伝える。

2016年4月から赴任された大井先生にまずお話を伺った

大井「ここに来て4,5か月。この前は杉並総合です。まだまだここにいる子どもたちのこと、わかってあげていないところたくさんありますが、本当にバスケが好き。日本一じゃないかな。時間がある限りやるし、その気持ちが真剣だから、だからぶつかることも多いです。

私たち顧問にも局面局面でああじゃないかこうじゃないかと話し合いもします。それは本当にまっすぐにバスケに向いているから言ってくれている部分もありますし、自分たちも勉強になることがあります。私は専門が体育ではないので融通きかない部分もあるんですけれどもね。本当にバスケが大好きだから、ああいう結果(男子全国優勝、女子準優勝)が出てくるんだと思います。だからこそ、全日制の子にも「バスケで楽しむと、こんなに面白いんだよ」ってあの子たちだから見せられるくらいに価値を持っている子どもたちだと思うので、ああいう子たちが増えてほしい。あの子たちには抱えている問題がたくさんありますけれども」

一つの生き物になるためにはどうしたらいいんだ?

真剣勝負の日々を松岡監督中心に語っていただく

先生紹介:大井先生、杉並総合高校から4月に異動。岡崎先生、立川高校から4月に異動、都筑先生、前任校第一商業高校・3年目。松岡先生は前任校は中学校だった

松岡「バスケやっている時は、みんな爽やかで、一生懸命な感じがあると思うのですけれど、やっぱり抱えている問題は、バスケ部の子どもたちだけではなくて、定時制の子ですから何かしらあります。その中で、バスケの子は、バスケが好き、だから幸せな子だと思うんです。好きなことがちゃんとあるということは。サポートし全国大会でいい結果は出していますけれど、そういうことよりも、好きなことに夢中になってバカ話しながらいろんな話しながら、バスケが上手くなったらうれしいな、そんなスタンスですね。みんなバスケ好きなんです。今日は僕も穏やかにやってますけど」

編集部「え、今日は穏やかだったのですか(笑)」

松岡「怒る時は本気で怒らないと伝わらないし。怒るのもエネルギーいるし・・・
あの子たちが本気でやるなら、こちらも本気で付き合わないといけないし、どうせ本気でやるなら少しでもうまくなってもらいたいと思って、こちらも本気でぶつかります。多分、いやになる時期もあるんですが、それを乗り越えると、パッと視野も広がっていくということですね」

編集部「リーダー5人もそう言ってました」

松岡「特に去年のキャプテン唯人君には相当怒りまくりました」

編集部「男子3人、先生には感謝しかないって」

松岡「そう言えるようになりましたね(笑)
そういう意味では、うちの子供たちは良くも悪くも素直です。むかつくことはバーッとストレートに言葉に出しますし、そうした感謝の言葉もちゃんと言える。たとえば夏の終わりに保護者を招待して焼き肉の打ち上げみたいなことをやるんですが、そこで卒業する子どもたちに話す場を与えると、思ってもみなかったようなことがあるんです。ある相当大変な子だったんですけれども、そのパーティーでまず最初に『先生たちに支えてもらって感謝してます』みたいなことを一番最初に言ったりするんです。僕も油断しているので『お前、ずるいな』みたいな。そういう瞬間が楽しいですね、こういう職場では」

荻窪高校6年目の古株の松岡先生だ。お話にグイグイ引き込まれる。

松岡「荻窪は開校10周年。男子は9年連続で全国に行っています。荻窪はバスケ専門の教員がなぜかたまたまずっといて下地が出来ていて、『バスケット、みんなで頑張ろうね』という雰囲気があったんです。でも、女子は、僕が来たときは人数はいても練習には全然いなくて一人二人くらい。大会の2週間くらい前になったら、集まりだして1回か2回練習して本番を迎えるという状態。それよりも、好きな子は好きだし上手な子もいたので、そういう感じで普段はほったらかしでやっていたんですけれど、でも今の3年の周佐実紀ちゃん、ありさ、もう一人あきちゃんが入ってきたころから、一つ上の先輩もバスケが好きで、男子の練習試合なんですけれども、女子が一日中お手伝いでいてくれたりする中で、女の子もずっといるな、男の子と練習しているな、ということができ始めました。今の2年生でも頑張る子がいたり、今年の1年生もそうです。一度そういう流れが出来ると、女子もやっているんだな、私も頑張ろうという子がちょっとずつ増えてきて、何とかここまできました。

編集部「その何とかが、いきなりアベックで全国大会に出たというのは、それは初めてだったんですね」

松岡「女子は全国は今年初出場です」

編集部「さらに初出場で準優勝って、すごいことですね」

松岡「そうですね。実は去年も女の子は出る力くらいの力はあったと思うですね。あともうちょっとというところで出られなくて。男子は出たので、全国大会に女の子も見に来ていて、『ここに出たい、出たい』と、その時からもう機運がたかまりました。男子は優勝した経験があるので、女子もと。東京はレベル高いんですよね。他の地域だと、予選があっても、一校とか二校とかで出てくるので。自分たちも出たら上位までいけるぞっていう、何となく思いはあったと思います。だから初出場なんですけれど、決勝で負けちゃった相手は天理です。8連覇していて今年で9連覇の学校と戦ったのです」

「こちらとしたら悔しいんですが。でも、出たこともないんですが、普段の練習中からも、天理に勝つんだったらここまで追い込むことが必要だぞっていうくらいの練習に。うちとしても天理というすごい存在があったので、それを言葉で出すと、あの子たちも心が折れそうな時も、もうひと踏ん張りできたのかなと思います」

編集部「男子も厳しい局面があったんですよね」

松岡「準決勝ですね。もちろん決勝も簡単ではなかったですけれど」

編集部「先輩たちに恩返しがしたい、そこで気持ちを立て直して危機を乗り切ったと男バスリーダーは話していました」

松岡「今日も卒業生二人くらい遊びに来ているんですよね。混じっていても全然違和感ないんですけれど。それ以外にも、卒業した子が大人のクラブチームでもやっていて、その仲間を引き連れて、よく練習試合じゃないですけれど相手してくれたりとか、そういう意味では卒業した子たちも良く顔を出して後輩の面倒をみてくれたり、試合にもしょっちゅう来てくれたり。だからそういう思いがあったので、多分『恩返し』という言葉がでたのかな。
それから、去年は準決勝で負けちゃったんですね。今年のメンバーはその時も試合に出ていた子が多いので、去年負けた悔しさとか、いろいろあったんだと思います」

編集部「一年の流れは部員に聞いてわかりました。今、執行部が代わり、新キャプテンで出発ですね。新しい体制がこなれてきて、あ、新チーム完成したぞって言うのは何月頃ですか」

松岡「全国大会直前ぐらいですかね(笑)
やっぱりあの子たちも難しい部分があるので、共通の大きい敵があると、そこに向かっていくんですけれども、そうじゃない時期とかはやっぱり自分はこういう思いがあるというのをいろんな形でぶつけちゃいますね。とげとげしい言葉も出ます。でも、そういう経験は、僕は大事だと思うので、大いに悩めと言います。
今年よく言ってきたのには『一つの生き物になるためにはどうしたらいいんだ?』。味方がミスをしたときに、それをなじったり『なんだ!』っていうのは簡単だけれど、それを違う形、プレーでカバーしてあげるとか、違う声をかけるとか、自分が出来る仕事でカバーするとか、そういうことで『いかにして一つの生き物になるか』っていうことを言い続けていて、最後に形になるのは全国大会直前ですね」

編集部「その一つになった感は、みんな同時に実感するんでしょうね」

松岡「多分そうでしょうね。それこそ全国大会の時には、こちらが予想もしなかったプレーをあの子たちはコートの上で表現してくれたので、そういう瞬間っていうのは、やってて楽しかったとか、充足感があったでしょう」

信頼関係が築けて初めて伝わることがある、定時制の現場の話もお聞きできた

学校での態度、注意の仕方のことについてすこし話を伺った。

松岡「僕が思うのは、信頼関係が出来たら、というか、というのが大事だなと思うのです。だから僕は、バスケ部の子たちにはガンガン言っても、まああの子たちは部活やめないだろうな、とか。不満があったとしても他の友達や、それこそ卒業生や先生たちだったりと、ちゃんと吸収できるだろうなって。だからそれは、信頼が強くなってるだろうなと思うし。逆にあの子たちも、面倒をみてくれているというのがこちらもわかるので、教員のことを考えてくれたりもする。でも、同じ子がダメな時はダメですね。授業で、新しくきた先生とかに上から目線で『なんだ、お前のその態度は』となるとカチンとくる。『なんであんたにそんなこと言われなきゃならないんだ』ってなっちゃったりするんで、それは定時制の大変さ、どこでもそうなんでしょうけれども。

礼儀作法もそうで、向かい合う大人がちゃんと信頼できる大人だとわかれば態度もただすんですよね。ケータイいじりながら様子を見ていたりというのは、本当は出来るんだけれども大人を試すという子もいるでしょう」

編集部「先ほど大井先生から、この子たちはバスケを愛していると。そこの一点があると伺いました」

松岡「熱中できるものを何か待っている子は強いですね」

男女一緒に練習している良さをお尋ねすると、デメリットはいっぱいあるんですが(笑)とおっしゃった。

色々なお話を伺いながら、大変な現場で奮闘される教員たちに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいになる。

次回は、顧問に聞くの後半を伝える

都立荻窪高校

Crick

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