活動を通して全員が人間的に成長できるのが一番大事 #東海大仰星高校吹奏楽部
注目! 素敵な人、すごい部活!
2017/03/21
東海大仰星高校 吹奏楽部 その1
枚方市にある東海大仰星高校は、東海大学の付属校として1983年に開校した。スポーツ、進学両面で近年、実績を上げて注目されている。
吹奏楽部も62回関西吹奏楽コンクール金賞、第36回全日本アンサンブルコンテスト銀賞などの実績を誇る名門クラブだ(2016年11月取材)
大人数の全体練習、さっそうと壇上に上がったのは、顧問の藤本佳宏先生。
隣にいた女子生徒に「藤本先生、人気あるんじゃないですか」と聞くと、打てば響くように「そうなんです!手も足も長くて、格好いいんです」とかえってきた。
高校生にしかできない音楽
「音楽大学を出て演奏活動を経て当校に赴任しました。15年目になります。吹奏楽部は総勢137人、中学生も16人います。生徒はこの近隣から通っています。
演奏活動は年間30~40回になるでしょうか。
部活は、活動を通して全員が人間的に成長できるのが一番大事だと思います。それを主眼に置いて指導しています。練習はほぼ毎日です。4時ころから3時間くらいです。日曜、祝日は朝の8時半から夕方6時まで、わりとハードですね。私もずっと参加します。家族の理解がないとできませんね」
藤本先生は「高校生にしかできない音楽」を目指している。
「いろいろなところで演奏をしますが、やはり喜んでいただけるのは『楽しさ』『元気さ』『エネルギー』です。大人が失いかけている部分を思い出して、元気になってほしいです。その中で、高校生は大人に近づいていますので、いかに音楽性を高めるかが課題です」
137人の部員には、できるだけ舞台で演奏する機会を与えている。
「夏の吹奏楽コンクールだけは55人しか出ることができないので、それは選抜します。メンバーに入れなかった子たちがどれだけ充実するかに心を砕いています。彼らが生き生きと活動することで、メンバーの子たちも救われる部分があるのです。夏の時期は、メンバーに入っていない子たちのバンドもいろんなところで演奏をするので忙しいんです」
一体感を作るのも大事な役割
この日は、東海大仰星サッカー部の応援のためのおさらいをしていた。野外での演奏なので、チューバではなくスーザホンが並んでいる。藤本先生は、メドレー曲を次々と演奏させて、アドバイスをしている。
“このあたりでテレビに映ることがあるから、いい顔をして”と部員をリラックスさせつつ、軽快におさらいをしていく。
「コンクールや公演も、応援演奏もしっかり演奏するのは同じです。学校の一体感がでるので、やりがいがありますね。
うちは野球の強い兄弟校がたくさんありますので、甲子園に出てくるときは応援演奏もします」
卒業後は一般の大学に進む人がほとんどだが、音楽大学に行く人もいるという。
「吹奏楽部だけでなく、うちの学校は部活は学生生活の一部だという考え方です。これは東海大学グループの方針でもあります。
毎年音大受験は1~2人ですが、今年は6人もいます。これから度胸試しで、一人ひとりホールで課題曲を演奏させます。緊張するので、そういう体験を積ませてやりたいと思います」
吹奏楽も、勉強も頑張ってほしい
基本的に生徒の自主性を重んじるが、ここ一番では先生が引っ張り上げることもある。
「スタンダードでやれることのレベルが上がってくることを目指します。指導している僕もやっていて楽しいので」
今はどこも「勉強との両立」がテーマになっていますが、と問いかけると、藤本先生は真剣な声で「それはあります!」と言われた。
「欠点科目が多い子は、指導します。私は2年の学年主任なので、勉強を頑張ってほしい子に一人ひとり話をします。吹奏楽部の子は気になりますね。勉強ができるできないよりも、勉強に向かえるかどうかですね。集中力や意識の問題なので。そこがしっかりできないと、演奏するときも手を抜いてしまいます。吹奏楽も、音楽も一生懸命頑張ってほしいですね」
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