スターリングテクノラリー・・・・・自作スターリングサイクル機器の競技会でコツコツ築いてきた覇者の道

みてみて!うちの部活!

2017/08/08

神奈川県立平塚高校 機械部 ①

空気は暖めると膨張し,冷やすと収縮する。スターリングエンジンはこの空気の性質をうまく利用して動いている。
これからさらに発展するエンジンとして注目を浴びているエンジンである。
海上自衛隊、宗龍型通常潜水艦にも搭載されていて、その性能はかなりのものと聞く。
新しいエンジンのようにも思われるが、その原理は19世紀初頭1816年には存在した(スコットランドの牧師、ロバート・スターリングが1816年に発明し、名称はこれに由来する)。
今から200年も前の原理が、再び21世紀で脚光を浴びているのだ。
CLASSIC、それは古いとか、レトロという意味ではなく、いつの時代になっても美しく、人々のために貢献し利益を与えることだと、ある自動車評論家が語っていた。
スターリングテクノラリーのRCクラスで実力の耀きを放つ部活を訪ねた。

神奈川県立平塚工科高校の沿革、地域の特性、学校の方針などを紹介しよう

昭和14年に、産業の振興を目的として、神奈川県第二工業学校として創立され、昭和15年には、神奈川県立平塚工業学校として改称された。以来、産業界をはじめ各方面に多くの優秀な人材を輩出してきたのが学校の歴史である。平成14年に、平塚工業高等学校と平塚西工業技術高等学校が再編統合され、平塚工科高等学校総合技術科として設置された。

西は富士を仰ぎ、南は相模灘に面した恵まれた教育環境にあって、1年生では工業の各分野を広く学び、2年生から生徒一人ひとりの興味・関心や進路希望に応じて、自動車系、機械系、電気系、環境化学系、総合技術系を選択し専門的な学習を行っている。

つまり、全員「総合技術科」の生徒として入学し、1年生では全員共通の勉強をするカリキュラムとなっている。

2年生で、「機械系、自動車系、電気系、環境化学系」を選択する。

3年生では、系に応じたコースに分かれ、さらに専門性の高い内容を学ぶ

誠実 健康 創造」を校訓として、将来の産業を担うスペシャリストを育成するため、工業ならではの資格取得、ものづくりをとおした技術・技能教育に取組んでいる。例えば、校内に自動車整備工場を有し、自動車整備士資格3級を取得できる。

今後はさらに、実際的・体験的な学習を通して、科学技術の進展を担うために必要な課題を発見し解決する力や主体的に学ぶ意欲、技能等、これからの時代に必要な資質・能力の育成に向けた教育活動の充実に取組んでいく。
今回スターリングテクノラリーに挑戦し続ける機械部、昨年取材したソーラーカーの社会部、などなど、ものづくり、地域貢献、教科外の活動でも経験を積み重ねている。今回は機械部の活動紹介を切り口に、工業系の高校の姿を伝えたい。

 

●社会部 ソーラーカーレース 鈴鹿2016全国大会 7連覇 ●機械部 スターリングテクノラリー全国大会 RC部門 銀賞 アイディア賞

●電気部 全国高等学校ロボット競技大会  ●アマチュア無線部 JAIYFJ 第24回全国高等学校アマチュア無線コンテスト 準優勝

●高校生ものづくりコンテスト 関東大会準優勝 自動車整備部門 羽賀純平君

顧問 田島浩一先生(機械・自動車)にお話を聞いた

スターリングテクノラリーの沿革と、平塚工科高校機械部の取り組みについて

11月4日の第21回スターリングテクノラリーに向けて準備中の6月に訪問

編集部:田島先生、そもそも、スターリングテクノラリーに出場するようになったのはどのような経緯だったのでしょうか?

田島先生:前任校の川崎工科高校で出場し始めたのが最初なんです。当時は授業でスターリングエンジンを課題研究という授業で教えていて、テクノラリーに応募しようかと割と軽いノリで出場したのが一番最初でした。約15年前、第5回、6回の頃です。お話にならないくらい、ただ行っただけ、でしたね。動かないし、ただ指をくわえて見ているだけ、悔しい思いをしましたね。
そして2010年4月にここ平塚工科高校に転任しましてテクノラリーに出場し始めました。
第14回のテクノラリーにはRCクラス(タイム)部門」で力を出せて、約200台が集った中でいきなり3位に入賞できました。「湘南EcoDrive」など東大の先生のチームや、米子高専、摂南大学といったすごいチームが出てくる中で、です。
このときは「イースターJr.」という名前で出場。それから連続で出場しています。
翌年第15回では、RCクラス(タイム)部門で、1位(「イースター Ⅲ世」)、2位(「イースターJr.改」)、6位(「平塚工科 TEAM-A」)をいただくことができました。
そして第16回では、1位(「イースターⅢ世 改」)、6位(「チームみな電」)と、三連覇できました。
・第17回 1位(「Xイース・ター(バッテン イース・ター)」)、2位(「メガ・イースター」)
・第18回 3位(「イース・ター∞(イースターエイト)」)
・第19回 4位(「ポンコツン」)

 

スターリングテクノラリーとはなんだろう

Stirling Techno-Rally スターリングテクノラリー公式サイトから紹介しよう

公式サイト
第21回スターリング第21回スターリングテクノラリー開催概要

1 大会の名称  第21回スターリングテクノラリー
スターリングテクノラリーとは自作スターリングサイクル機器の性能とアイデアを競う競技会である。
本競技会は、青少年の工学に対する興味・関心の喚起 とスターリング機器関連技術の発展・向上を目的とするものである。

2 開催日程        記録会 2017年11月4日(土)9:00~16:00
及び会場 会場   会場   ものつくり大学 〒361-0038 埼玉県行田市前谷333
TEL 0480(564)3200 ホームページ http://www.iot.ac.jp/

3 参加資格   小中学生・高校生・大学生及び一般

4 競技クラス

(L) 人間乗車クラス: 一定の走行時間(30分間を予定)以内に定められ た周回路を何周できるかを競う。
(RC) RCクラス: 一般舗装路面において遠隔操縦により2つのポールを周回して走行。約 50 mを走行する時間を競う。
(加熱源の搭載は自由,車両サイズは自由)
(MA) ミニ宙返りクラス: 宙返り垂直ループを含む走路を周回、宙返りの回数を競う。
(加熱源の搭載は自由,車両の幅105mm、高さ90mm以内)
(M) ミニ速度クラス :市販走路(フラット、8.8m周回路)を走行する最初の1周の速度を競う。
(加熱源の搭載は自由,車両の幅105mm以内)
(mmA) マイクロ宙返りクラス:専用走路高さ140mm ループを含む走路を周回,宙返りの回数を競う。
(加熱源の搭載は自由,車両の幅35mm,長さ50mm以内)
(mm) マイクロ耐久クラス:市販走路(走路幅42mm,2m周回路)を走行、走行距離と車両の小ささを競う。
(加熱源の搭載は自由,車両の幅35mm、長さ50mm以内)
(C)  クーラクラス: 大気圧空気を作動ガスとする自作スターリングクーラ競技
SC3     DC3V(単三乾電池×2本)を電源とする。室温からスタートさせ、3分間での温度降下を競う。

SC100   AC100Vを電源とする。室温からスタートさせ、3分間以内に規定の対象物の温度を10℃降下させ、消費したエネルギー量[J]の少なさを競う。

5  申込期限   2017年9月11日 当日消印有効

6  主  催   スターリングテクノラリー技術会 会長: 中島 尚正 (東京大学名誉教授、海陽学園校長)

7  共  催   関東甲信越地区機械工業教育研究会(関機研),東京都機械工業教育研究会(都機研),
NPOスターリングエンジン普及協会, NPO環境とエネルギー

8  後  援   文部科学省(依頼中),経済産業省(依頼中),(公社)日本工学教育協会,日本工業大学,
埼玉大学,台湾・大同大學,台湾・建国科技大學、台湾・国立秀 水高級工業職業学校,
台湾・台北市立南港高級工業職業学校,全日本中学校技術・家庭科研究会,
(株)誠文堂新光社,(公社)全国工業高等学校長協会

9  協  賛   (財)日本自動車教育振興財団,(公社)日本機械学会,(公社)精密工学会,
(公社)日本設計工学会,(公社)日本太陽エネルギー学会,(公社)日本 産業技術教育学会

10  各  賞  スピード・耐久・走行距離賞、クーラ賞、マイクロ賞、アイデア賞、他

11  参  加   費  1台につき  1,000円 (登録手数料)

平塚工科高校機械部が出場するのは・・・・

第21回のテクノラリーで平塚工科高校機械部が挑戦するのは、このなかで

(RC)RCクラス:一般舗装路面において沿革操縦により2つのポールを周回して走行。約50mを走行する時間を競う。

(C)  クーラクラス: 大気圧空気を作動ガスとする自作スターリングクーラ競技          

          SC3     DC3V(単三乾電池×2本)を電源とする。室温からスタートさせ、3分間での温度降下を競う。

          SC100   AC100Vを電源とする。室温からスタートさせ、3分間以内に規定の対象物の温度を10℃降下させ、消費したエネルギー量[J]の少なさを競う。

である。男子部員6人で挑むのだ。(1年生1人、2年生4人、3年生1人)

 

ここまで平塚工科高校 機械部の2010年(第14回)~2016年(第19回)の実績を伺い、感嘆した

それだけではない、ものづくりの学校はすごい

(第20回は事情によりテクノラリーは縮小された形で例年と違う時期に開催され、平塚工科高校含む強豪校は参加できなかった)

編集部:ずっと好成績を残してこられてきて、内外の評価はとても高くなっていることと思います。

さて、校門横の横断幕に「高校生ものづくりコンテスト 関東大会準優勝」とありました。

工業高校の「高校生ものづくり大会」についてもお聞かせくださいますか。

田島先生:平成23年(2011年)に関東大会で優勝して、全国大会を10人で戦いました。あれはすごかったです。

当時は機械部で2つの班(スターリングエンジン班・ものづくり班)の両方を私が見ていました。現在は社会部の菅野先生に見てもらっています。(社会部:ソーラーカーで著名な部活 2016年7月取材

(ちなみに菅野先生は、田島先生が若き頃に赴任していた県内の高校で教え子であった!)

平塚工科高校からは「高校生ものづくりコンテスト全国大会」の関東大会、全国大会に出場し、優勝や上位を勝ち取る生徒を多く輩出してきています。
日産ディーゼルに就職しバリバリ活躍している卒業生もいます。

 

スターリングエンジン 実はこのしくみをちゃんと教えて取り組むとしたら3年間では足りない

石黒部長は田島先生が見てきた歴代の生徒の中では一番しくみを理解している生徒だ

編集部:ところで、生徒はどのような感じで機械部に入ってくるのでしょうか?

田島先生:4月初頭、新入生に説明会を行い体験入部期間があります。6つくらいまわってみて、自分にひっかかるものがある生徒が入ってきます。入ってくる生徒はちゃんと考えていて、まず辞めません。

編集部:現在機械部の部員は、1年生が1人、2年生が4人、3年生が1人(石黒部長)で活動されているんですね。

田島先生:けっこうギリギリの人数で活動していて大変なんです。元来、授業でやっていたくらいなので、部活にするってこと自体がなかなか難しいところがあります。テクノラリー参加団体には、大学や高専が名を連ねているくらいですから。運動部のように練習して成果が出るというものでもないです。

実はこのしくみをちゃんと教えて取り組むとしたら3年間では足りないんですよ。石黒部長は今まで私が見てきた歴代の生徒の中では一番しくみを理解している生徒です。「この子は!」というものがあります。

1年のとき、みっちり教えました。難しいことによくついてきました。なので今では自分ひとりで部員を指揮しながら仕上げたものなんですよ。ですからとても期待していまして、6位までには入りたいものだと思っています。

この夏、もう一皮脱皮して真の実力をつける機会にしていくところだと考えています。彼は就職希望でして、学業成績も良いので、名の通った企業に就職できそうです。探究心が旺盛で、後輩たちの面倒見もよく、ひとおおりのことがバランスよく身についている生徒です。ご家庭のバックアップも大きいんですよ。

編集部:連覇し、成果を上げていき、「よっしゃ!優勝だ!」という成功体験を積み重ねていくなかで、生徒たちの自尊心、自信が育っていきますね。先生が部の生徒たちに望むことをお聞かせください。

田島先生:スターリングエンジンは内容が難しいものですが、より積極的に取り組んでいってほしいと思います。失敗してもいいので一人一台マシンを作ってほしいと思っています。

田島先生がしくみを解説

なにはともあれ、スターリングエンジンを搭載した車の動きを見てほしい

次回は、3年石黒翔太部長に話を聞く

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