第65回全国高等学校定時制通信制 軟式野球大会

みてみて!うちの部活!

2018/09/26

12連覇の偉業!天理高校第二部軟式野球部

本当の強さとはこういったものなのかもしれない。天理高校第二部軟式野球部。出場37回目の今年は全ての試合を横綱相撲で撃破し、堂々の12連覇を成し遂げた!

決勝戦はここまで 37得点2失点 vs 32得点8失点 の豪打戦の期待

12年という時間の長さ

6才の少年の成長を中心に、一つの家族の12年間を追った映画がある。幼くかわいらしいメイソン少年が、いつのまにか姉のサマンサや母親の身長を抜き、ひげを蓄え、恋をして、たくましく成長していく過程を描く。2014年公開の「6才のボクが、大人になるまで。(監督・脚本リチャード・リンクレイター)」は、同じキャスティングで12年もの間ずっと撮り続ける手法を通し、その歳月の長さを実感として見事に体感させてくれる。

12年とは、少年を大人にするに充分な時間の流れであり、人生を振り返る一単位として想像できる長さである。

今年、野球の全国大会でこの長さを具現化した試合があった。第65回全国高等学校定時制通信制軟式野球大会の決勝戦だ。過去36回の出場中14回優勝を誇る天理高校は、昨年まで実に11連勝を積み上げてきた。今年優勝すれば12年間連続、まさに少年が青年に成長するに等しい期間勝ち続けていることになる。

その決勝戦は横綱相撲と言ってもいいほどの試合運びだった。まったくスキがなかった。立ち合い後、相手は気が付いたら土俵際まであっという間に追い詰められ、取りなすすべなく土俵の外に押し出されてしまった、きっとそんな思いだったに違いない。

試合詳細

決勝戦は、記録的な連日の猛暑がこの日だけ嘘のように落ち着き、日影は秋の気配さえ感じるほどの8月12日。会場となった学生野球の聖地ともいえる神宮球場は、セミの声が遠くに聞こえ秋雲が浮かぶ晴天の野球日和だ。

王者天理高校に対するのは、今年大会初出場の東京第2代表の日本ウェルネス高等学校 通信制。準決勝までの4試合で34得点(8失点)の打撃中心のチームである。天理高校は同じく準決勝までの4試合で37得点(2失点)だ。似たようなタイプの戦力構成である。どちらのチームもこの夏の甲子園を沸かせた、秋田県金足農業高校の吉田投手のような、絶対的なエースは存在しない。ウェルネス高校は、先発を任されるエースナンバーの津澤、リリーフの南馬、中山、天理高校は先発の伊藤、そしてこれまで先発もリリーフもこなす堀部、本職はサードの岡田がリリーフと、それぞれ三人ローテーションで投げてきた。決勝戦は津澤と伊藤の先発だ。

午前九時、試合は天理高校の先攻で始まった。ここまでの結果を知っている誰もがガチンコの白熱した試合を期待した。一回の表、先頭の窪田がいきなりセンターへ二塁打を放つ。津澤としては、様子見に投げたストレートを簡単に運ばれてしまった感覚だろう。その後バントと四球で一塁三塁となったところで、四番の森口がレフトへの二塁打を打ち天理が2点先制する。二回の天理は、七番の伊藤が四球を選んでから三連打。この回にヒットを四本まとめて4点で一気に天理が6点と突き放す。

対する日本ウェルネス高校は、四球でランナーを出すが次が続かず、凡退を繰り返す。その間に天理が三回と四回に1点ずつ、五回に2点、六回に3点と気が付けば点数は少しずつ広がるばかり。六回にようやく日本ウェルネスの南馬が試合を通じて唯一のヒットをセンター前に放つ。終わってみれば、なんのことはない。下馬評通り、天理高校の圧勝で終わったのだ。

昨年の戦い

天理高校の藤田監督(47)に試合についてうかがった。やはり昨年の決勝戦の苦戦があったため(2017年度決勝レポート)、試合が始まったときは少し不安だったようだ。

昨年の決勝戦は、やはり先攻の天理高校が1点ビハインドのまま、9回表ツーアウトランナーなしの状況で、バッターがボテボテのセカンドゴロを打ち誰もが試合終了と思った瞬間、初優勝を焦った東京代表の都立八王子拓真高校のセカンドが悪送球。ランナーがセカンドに走る際にさらなる悪送球を呼び込み、一気にホームを駆け抜けて同点に追いついた。その後延長11回に1点をリードし天理が逃げ切った。徳俵に足がかかった状態から相手が足を滑らせてしまったような、まさに助けられた経験をしてきた。その経験があったからこそ、今年のチームが出来上がったのだと藤田監督は話してくれた。

「技術とかそういうことよりも、日常の中にスキを作らないようにと、選手には話しました」

今年の選手たちは、昨年の秋に藤田監督より3ヶ月で3kg身体を大きくするようにとの指示を受け、精神的なものも含め全体的に一回り大きくなっていた。

天理高校藤田監督

初出場を果たした高柳選手(4年)

この試合、歴史の長い天理高校二部の野球部では初めてのシーンがあった。女子選手の出場だ。高野連が主催する大会には女子選手は出場できないが、高体連が主催するこの大会では女子の出場が認められている。

7回ワンアウト一塁で代打出場したのは高柳枝理選手。見事三塁への内野安打で出塁を果たした。高柳選手は四年生で、最後の夏の決勝戦で初出場をつかんだ。「普段はとても厳しいけれど、選手思いの監督です」控えめにインタビューに答えてくれたのが印象的だった。

定時制高校の練習時間は短い。20時半に授業が終了し、20時45分から21時半までの45分間しかない。この間で準備や片付けもしなければならない。

しかし、日々しっかり練習をすることで野球をやる基礎の身体も作られ、技術も向上していく。

出場24校のうち7校が初出場で、日本ウェルネス高校もそのうちの1校だった。全日制高校と比較して部活がある学校は多くは無いが、常連校ばかりではなくなってきている。全国の定時制通信制高校の各校が、来年こそは天理高校の連覇を止めてやろうと考え、切磋琢磨しているのだろう。

そして挑戦者を日々の精進で跳ね返すのが真の横綱でもある。

また来年が楽しみになってきた。

見事12連覇!14回目の優勝をした天理高校の皆さん

初出場準優勝の日本ウェルネス高校の皆さん

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