「先輩のようになりたい!」ロボットを自由に動かしサッカーをする   尼崎市立尼崎双星高等学校 情報技術部

注目! 素敵な人、すごい部活!

2018/12/29

ロボカップジュニアの強豪。創部8年にして高いモチベーションに至ったのにはどんな秘訣があるのだろう。コンピューター制御の可能性に挑戦しつづけ、ものづくりをとおして「考える力」「工夫する力」「集中力」を養う実践を取材した。

尼崎双星高等学校は平成23年、尼崎市立尼崎東高等学校と尼崎市立尼崎産業高等学校が統合して開校。普通科、商業学科、ものづくり機械科、電気情報科がひとつの学校に併設されたユニークな高校だ。なかでも、情報技術部は尼崎産業高校情報技術の30年にわたる技術を引き継ぎ、サッカーロボット製作とプログラミングを中心とした活動をし、ロボカップジュニアの全国大会に出場するなどの輝かしい成績をあげている注目の部活なのだ。
(ロボカップジュニアは、ロボット製作を通じて次世代のものづくりの担い手を育てようと1998年から開催されている。サッカー、レスキュー、ダンス、Cospacesの4部門がある。 
 そのひとつであるサッカーロボットとは、自立型ロボットによるサッカー競技。通常のサッカーと同様にゴールにボールを入れて得点を競い合う)
(2018年4月)

入学してロボット製作の 面白さにハマった!

3月30日から4月1日に行われた「ロボカップジュニアジャパンオープン和歌山大会」に参加

「情報技術部」は、2年生は9名(普通科1名、ものづくり機械科1名、電気情報科7名)。
1年生は8名(普通科2名、電気情報科6名)の17名で活動しています。

今年は1年生に女子生徒が1名入部してがんばっています。

クラグ活動は、「コンピューター生後の可能性」をテーマに、ものづくりを通して「考える力」「工夫する力」「集中力」などを高めることを目標です。

2018年3月30日から4月1日、「ロボカップジュニアジャパンオープン和歌山大会」に参加しました。世界大会への参加するし日本代表チーム選抜を目的として文部科学省、産業通産省などが後援する全国大会で、大学、高専、一般も参加するレベルの高い「サッカーロボット」大会です。

双星高校の情報技術部は、サッカーLight Weight部門で参加。2014年には日本で準優勝し、ブラジルでの世界大会に参加したことのあるチーム「双炎(そうえん)」の名前で挑みました。そして64チーム中15位の成績を残しました。また、今年は「cospaceレスキュー」という新しい分野にもチャレンジしました。

優勝経歴など列記して紹介しよう

★2017年度 (敬称略、3年は2017年度での学年)
1)ロボカップジュニアジャパンオープン2018和歌山大会(2018/3/30~4/1)
    ①サッカー Light Weight 全国64チーム中15位、②cospace レスキュー 全国14チーム リーグ戦敗退
2)ロボカップジュニアジャパン阪神ブロック大会(2018/2/3)
    ①サッカー Light Weight 優勝 チーム双炎(そうえん) 3年力津/3年易/吉田/坂本
3)ロボカップジュニアジャパン西日本ブロック大会(2018/2/3)
    ①cospace レスキュー 3位 チーム双救(そうきゅう) 西川/上原
4)第7回ネクストチャレンジカップ(2017/11/25)
    ①ワールドリーグサッカー サッカーライトウエイト部門
     優勝 チーム双炎(3年力津/3年易)
     第2位 チームSavageDogs(サベージドッグス)(大耀/吉留)
5)高校生ロボットセミナー発表会(2017/8/27)
    ●尼崎市長賞 「高所設置ランプの清掃・交換及び壁面簡易修復かたつむり型ロボット」(篠部)
    ●一般財団法人 尼信地域振興財団 理事長賞「軌道落下物検知・救出ロボット」(和田)

★日本で優勝し、ブラジルでの世界大会へ

 2014年7月18日から27日まで、ロボカップジュニア2014世界大会に出場。世界25チーム中13位、2つの特別賞を受賞。(Best Super Team Communication 賞/Best Team Work賞)

毎年、全国からの参加校がしのぎを削る熱い戦いの中、強豪校の位置を保つのは並大抵ではない。

 

この部に入りたいから双星を選んだ

高校入学するまで生徒はロボットビギナー。 思い通りに動かすのは難しい

―顧問の藤井晴基先生に、全国の高校では有名なロボット強豪校になっていった秘訣を伺いました。

「部活動ではサッカーロボット製作とプログラミングを中心におこなっていますが、全員が高校に入学してからロボットに触れるようになった初心者ですから、ロボットを自由に動かすプログラミングをつくるのは難しいと思いますよ。自分の思った通りに動かすことができなくて、生徒はあきらめてしまうことが多々ありました」

―きっとあきらめないで続けさせる工夫があったのですね。

「難しいのは当たり前ですから、プログラムは大学や専門学校のプログラミング講座等に積極的に参加して勉強しました。そして、理解したら、尼崎市と尼崎商工会議所が主催している小学生・中学生向けロボットプログラミング教室に1カ月1回程度ですが、今度は小学生や中学生にプログラミングを教える体験を重ねました」

―生徒は大学生から学んだことを、先生として小学生に教える側になるわけですね。

「そうです。自分が理解しないと教えられませんから、これはいい体験になりました。このことがきっかけで、いまでは双星高校でも小・中学生向けに『ものづくり教室』を開くようになって、積極的に教えています」

いまこれは人気講座になっていて、高校に入学したばかりの1年生も5月から、6月の文化祭の頃には「ものづくり講座」の先生をつとめています。「習ったことを必死で覚えて、伝えることで知識が身につきますし、小学生たちに『ロボットを動かすおにいちゃんたちのようになりたい』といわれるほどの成長をとげます」

ロボットを動かせる! 他の高校ではできません

このユニークな部活に入った理由を2年生にきいてみました。

部長の篠部隆太くんは「部活動体験のとき、先輩がロボットを動かしていたのを見て、初心者の自分でもロボカップに挑戦できることがわかり、魅力を感じました」といいます。副部長の上原聖輝くん&坂本光輝くん、そして吉留一樹くんは「とてもカッコよかったから」と口を揃えます。そのほかには、「あまり身近かに感じることのないロボットに興味をもった」(稲田朝陽くん)、「部活見学でロボットに興味をもった」(和田大輝くん、池見一将くん)、「ケガをしていたので文化部に入ろうと思った」(吉田勢くん)など、ロボットを日常で動かす経験がないだけに、強く惹かれたのがわかります。

部活に入る前に、ロボットを扱った生徒はいませんでしたから、入学してスタートラインに並んでロボットを学びはじめたというわけです。

そして、ロボットを動かせるようになっての感想はどうでしょう?

いちばん多い感想は「全員でロボットのプログラミングについて話し合って取り組むとき」で「思い通りに動いたときがいちばんうれしい」。また「自分が考えた動きを試行錯誤しながらロボットで再現する」楽しみや、「他の部活では恐らくさわることのないロボットやプログラミングに触れることができた」「他の学校との交流があるのがたのしい」と部活動を満喫している様子でした。

顧問藤井先生も「話し合いが白熱して、時間をわすれて取り組んでいます。お互いのコミュにケーションをとることが強くなる秘訣。実際にスポーツの団体競技と同じようにチーム力が勝敗を左右します」といいます。

サッカーロボットを動かしてもらった

コスペースレスキューのしくみを説明を受けた

こちらのロボットは色を認識してボールを追いかける!

「ロボカップ」のワールドカップが 最終目標になっています

ロボカップとはなんでしょう?ロボット工学と人工知能の融合、発展のために日本の研究者によって提唱されたもので、人型ロボットでサッカーのワールドカップチャンピオンに勝つという目標があります。

高校生が出場する「ロボカップジュニア」は19才以下が参加する自律ロボットの競技で、子どもたちの好奇心や探究心を引き出し、挑戦(チャレンジ)できる3種類の競技テーマがあります。

①サッカー
1チーム2台ずつの自律ロボットで闘うサッカー競技。通常のサッカーと同じようにゴールにボールを入れて、得点を競い合います。
②レスキュー
ロボットが周囲の状況を判断し、様々な障害を乗り越えて行く競技。
③オンステージ
2分間でロボットがダンスや演技をする競技。

このほかに、ロボットを製作して参加するのではなく、シュミレーションソフトを使って、画面上で競技で行われる「コスペース」があります。

双星高校が今年、「ロボカップジュニアジャパンオープン2018和歌山大会」で出場したのは、サッカー(ライトウエイト)と、「コスペース」です。

仲間とたのしくクラブ活動をすることで コミュニケーション力もついてくる

ロボットを使っての大会は「ロボカップジュニアジャパン」ばかりではなく、「ネクストチャレンジカップ」もあります。この他に高校生ロボットセミナー発表会では、尼崎市長賞を受賞した「高所設置ランプの清掃・交換及び壁面簡易修復カタツムリロボット」や、一般財団法人 尼信地域振興財団理事長賞を受賞した「軌道落下物検知・救出ロボット」などの実用的なものもつくっています。

ロボット製作、ロボットを動かすプログラミングとどれをとっても面白そうなクラブ活動ですが、部内ばかりではなく、大会のときに知り合う他校との交流も楽しみです。もちろん、大変なことも多々あり、パーツが足りなくて探しまわるとか、調整がうまくいかないとか、大会ではとくにいろいろなことを想定しながら進めなければなりません。

部の力の源となっているのが、先輩たちの存在です。

チーム「双炎」で、準優勝を勝ち取りロボカップジュニアのサッカー部門でブラジルの世界大会に出場した先輩などが、訪ねてきて、体験したことを教えてくれて、年代を越えた交流が大きな財産になっています。

藤井先生は「ものをつくる楽しさ、喜び、感動と、同時にものづくりの難しさ、厳しさも体験し、何事にもチャレンジしてあきらめるなと話しています。そして、日常のクラブ活動で、たのしく部活動をしているうちに自然とコミュニケーション力はついてくるはずですが、仲間との意志の疎通をはかってほしいです。それは将来の職業生活にも大きな力になるはずですから。他の学校では決して味わえない経験ができる部だと胸を張っていえますね」と結んだ。

顧問 藤井晴基先生

子どもたちの「のびしろ」ってすごいんですよ、とにかく楽しめ、ものづくりを楽しめと言っています。学校だけでなく企業、商工会議所で鍛えてもらって自信がつくと、資格取得、検定に挑戦、学業成績も伸びていきます。

顧問の藤井晴基先生

尼崎双星高校の前身の尼崎産業高校から30年以上工業教育に携わってこられた。各種大会、イベント、ものづくり教室、各種講座、企業見学などへの参加を通して、広い世代代とのコミュニケーションの取り方を学ぶ場、最先端の工業技術を学ぶ場としてきた。
創部8年だが、卒業生が実によく来てくれる。
情報技術部に入りたくて入学してくる生徒もいる。「そない言われたらうれしいですわ」
「活動時間が終わって『早よ帰れ』とゆうても『まだやる』となかなか帰りません」部員の半分は尼崎市外からだ。

尼崎市立尼崎双星高等学校

尼崎市立尼崎双星高等学校

〒661-0983 兵庫県尼崎市口田中2丁目8−1
06-6491-7000
設立 2011年4月1日

次号では特色あるこの学校の沿革や概要についてを紹介する。

 

 

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