「大柿高校の存続と人類の未来を33名のアトムたちに託します!」 広島県立大柿高校

先生方・保護者の皆様へ

2017/05/22

真剣なリーダーの奮闘に、教職員も生徒も劇的に変わっていく

広島県立大柿高校。(細川 洋 校長)
70有余年の伝統ある学校が生徒数が少ないために、学校存続のがけっ淵に立っている。
2017年4月7日、広島県江田島市にある広島県立大柿高校の入学式には新入生が33人が入学。4年ぶりに30人を超え、生徒数は全校で78人になった。
県教委は、生徒数が本年度から2年連続で80人未満となった高校について、統廃合も含む再編を検討する方針。存続に向けてもう一押しが求められている学校だ。
ナビ部では、大柿高校の28年度からの校長のリーダーシップの下、学校改革が加速度的に進んでいる様子を伝える。
真剣なリーダーの奮闘に、教職員も生徒も劇的に変わっていく。

鉄腕アトムに託してさまざまな思いを新入生に伝えた式辞の全文を紹介しよう

校長は、広島大学グリークラブ出身だ、式辞が朗々たるバリトンで始まるとは!

式 辞

 

♪空を越えて ラララ 星のかなた

ゆくぞ アトム ジェットの限り

こころやさし ラララ 科学の子

十万馬力だ 鉄腕アトム♪

 

時は二一世紀、正確に言うと二〇〇三年の今日四月七日、鉄腕アトムが生まれました。科学の粋を集めて天馬博士が生みお茶の水博士が育てた鉄腕アトムが人類を救う…という漫画を二〇世紀半ばに手塚治虫は考えました。さて二一世紀の現実は…

本日は公私御多用のなか、広島県議会議員・沖井純(おきい じゅん)様、江田島市長・明岳周作(あきおか しゅうさく)様はじめ多くの御来賓の皆様に御臨席いただき、厚くお礼を申し上げます。

入学生の皆さん、そして保護者の皆様、本日は御入学誠におめでとうございます。

皆さんが生まれたのは平成一三年西暦二〇〇一年。正に二一世紀の訪れと共にこの世に生を受けた二一世紀の申し子たちで、アトムの二歳先輩になります。

現実世界ではまだ鉄腕アトムは誕生していません。が、IT技術は飛躍的に進歩し、AI(人工知能)による囲碁・将棋ソフトは既に人間に勝ち、車の自動運転もあと一歩というところまで来ています。

皆さんが高校を卒業し、大学を卒業し、社会人となり親となって活躍している二十年後には、世の中はどうなっているのでしょうか。

 

♪耳をすませ ラララ 目をみはれ

そうだ アトム 油断をするな

こころ正し ラララ 科学の子

七つの威力さ 鉄腕アトム♪

 

実はこの歌は、日本を代表する大詩人 谷川俊太郎さんの作詞です。七つの威力とは「マッハ十のジェット飛行」「全ての言語が話せる人工声帯」「人間の心を持つ電子頭脳」「一千倍の聴力」「サーチライトの目」「おしりからマシンガン」「十万馬力の力」だそうです。

 

現実的に考えると、この大柿高校で皆さんに付けていただきたい七つの力とは…

 

まず学力。皆さんは高校へ学力を付けるために志願して入学しました。一に勉強二に勉強三四がなくて五に勉強、です。とにかく勉強してください。そうすれば夢がかないます。

次に体力。体育の授業を全力で受けてください。部活でしっかり汗を流してください。体力は一生涯自分を支えてくれる財産です。

次も耐力。これは耐える力です。すぐにハブてたりキレたりせず、簡単に諦めたり投げ出したりせず、我慢してコツコツと粘り強く頑張れる力です。

そして挨拶力。全力で挨拶してください。立ち止まって大きな声で挨拶してください。バカかと思われるぐらい挨拶してください。そうすれば幸せが訪れます。これは本当です。

マナー力。まずは学校という公の場にふさわしい服装。制服を美しく着こなしてください。本校の制服は広島県の中でも屈指の美しい制服です。その制服に見合う礼儀や態度も身に付けてください。

おもてなし力、思いやり力。大柿高校には日々たくさんのお客様が来られます。どのようなお客様に対しても、心を込めておもてなしをしてください。相手が何を望んでいるか、何に困っているか、どうすれば喜んでいただけるか、そのことに思いが至る想像力を鍛えてください。

最後にコミュニケーション力。その人その人によって言葉のストライクゾーンは異なります。ストライクと思って言葉を投げても、受け取る相手にはとんでもないボール球であったり、暴投である可能性もあります。言葉は届いてなんぼです。「言った」「言わない」というトラブルは大人同士でもよく起こります。時には国同士でも起こります。実際ケンカや国際紛争の大部分はコミュニケーション不足によって引き起こされるのです。言葉とは本来、異なる人と人とが理解し合い、協力し合うための道具です。ヒトは言葉を獲得して以来、ホモサピエンスから人間へと進化しました。その過程が歴史を紡ぎだしてきました。

皆さんは二一世紀の申し子たちです。どうかこの大柿高校で「七つの力」を身に付け磨いて、二一世紀の歴史を紡ぎだしてください。何より「心優し」「心正し」というアトムのような心を、この大柿高校でしっかり育んでください。

 

最後に、誇り高き数々の歴史を紡いできた大柿高校は、今存亡の危機にあります

 

大柿高校が存続するもしないも、すべては皆さんの高校生活にかかっています。どうか一人一人が大柿高校の看板を背負っているという高い意識を持って、高校生活のみならず、登下校の姿、家庭でのありようの隅々にまで気を配って努力してください。そのことが三年後の皆さんの幸せにつながるのはもちろん、大柿高校の存続にもつながります。

二一世紀の申し子たち、三三名のアトムたちよ。君たちに大柿高校の存続と、人類の未来を託します。

入学おめでとう!

平成二九年四月七日

広島県立大柿高等学校

校長 細川 洋

 

2016年6月 全校生徒でグラウンドに芝を植えた。ここから学校改革がバリバリと始まっていった。

学校存続への烈々たる思いは、数々の学校改革となって具体化している、大事なのは言い切ること

「場」を創り,生徒を乗せてやらせてみれば,見事にやりきるのです。スポットライトが当たり,拍手をもらえば,生徒の自己肯定感が高まります。教職員のモチベーションも上がります。まさに好循環,上昇スパイラルに乗りました。

校長挨拶より(2017年4月10日)

2 年 目 の 決 意
                         広島県立大柿高等学校長  細川 洋(よう)
     「最後の1年」の覚悟で前へ。斜め上を見て前のみへ。
3D(でも,だって,どうせ)撲滅運動継続展開中
大柿高校で学んで良かったと思える「日本一の高校」の創造

 大柿高等学校は,大柿実科高等女学校・中村実科高等女学校を前身とし,今年で開校77年を迎えます。「克己」を校訓とし,進取の気風に富み,東大・京大はじめ旧帝大や広大等へ多数合格し,素晴らしい人材を輩出してきた,県内有数の歴史と伝統のある名門高校です。
 昨年度校長・教頭・事務長が総替えとなり,名門大柿高校の存続のため様々な手を打ってきました。とはいえ奇策には走らず,これまで大柿高校が長い歴史の中で手放してきたものを,一つ一つ丁寧に拾い集めた1年でした。
 4月,「校歌を覚えんと進級も卒業もさせない」と宣戦布告し,全校で校歌指導を繰り返しました。5月,全生徒と校長面談を行いました。6月,地域の方と共にグラウンドに芝を植えました。7月,初めて野球の全校応援に行きました。8月,久しぶりにオープンスクールを行いました。9月,四半世紀ぶりに体育祭を復活しました。10月,MIKANマラソンで活躍しました。11月,柿高祭で全生徒のステージ発表を復活しました。等々…「場」を創り,生徒を乗せてやらせてみれば,見事にやりきるのです。スポットライトが当たり,拍手をもらえば,生徒の自己肯定感が高まります。教職員のモチベーションも上がります。まさに好循環,上昇スパイラルに乗りました。
 その結果,地域の本校に対する評判は劇的に改善し,今年度の新入生は33人と4年ぶりに30人を超え,全校生徒は昨年度の68人から78人へと激増しました。しかし,県教委の定めた学校存続の基準値「80人」には,惜しくもあと2人足りませんでした。来年度もし80人に到達できなければ,大柿高校の歴史には終止符が打たれます。
 今年度,大柿高校は全力で「取り残した2人」を取りに行きます。「最後の1年」と覚悟を決め,全教職員が死に物狂いで「80人」を目指します。奇策に走らずシンプルに「当たり前のことが当たり前にできる当たり前の高校」になることを目指して死力を尽くします。
 すべては学校の存続のために…教職員一同「チーム柿高」は腹を括りました。「でも」「だって」「どうせ」…と後ろ向きなことを言っている暇はありません。山道は止まれば下がりますし,海では泳がなければ沈みます。前進あるのみです。  大柿高校がなくなって一番困るのは地元の皆さんです。どうか今後とも強力な御支援・御協力をよろしくお願いいたします。何より大事なことは「お子様を大柿高校へ入学させてください」ということです。でなければ,学校はなくなります。
 大柿高校は全県全国からも入学が可能です。瀬戸の温暖な気候に恵まれた本校で,小規模校ならではの牧歌的かつきめ細かい教育をお望みの方は,いつでも学校見学においでください。(男子寮完備,随時学校見学可)
 来年度入学者の目標値は現時点で「26人」です。
                           平成29年4月10日

3D(でも、だって、どうせ)撲滅・DWY(できた、わかった、役に立った)推進運動展開中!〔見学随時〕

大柿高校生徒心得五ヶ条

君たち生徒の姿が学校存続の鍵となる。

1 「自分を変える、人生を変える」
これまでの自分をリセットする。まずやってみる。

2 「校則違反・指導無視は即退学」
高校は義務教育ではない。いやならやめていい。

3 「七つの力をつける」
学力、体力、耐力、挨拶力、マナー力、おもてなし思いやり力、コミュニケーション力

4 「一生懸命がカッコイイ」
頑張る人を馬鹿にしない。目指すは「新井さん」。

5 「部活動全員加入、バイト禁止」
学校は頑張る人を全力で応援し特段に優遇する。
返事は「ハァ?」ではなく「ハイ!」

 

 

大柿高校教職員心得五ヶ条

「最後の年」のつもりで

どれも実践的で大切なことばかりの教職員心得だ。

1 自分を,生徒を,学校を,人生を変える

・「力を出し惜しみしない,そもそもそんな力はない」(先輩に言われたこと)
・人の話は集中して聴く(たとえば職員朝礼時)
・机上,デスクトップの整理=思考の整理
・生徒指導と進路指導は全員

2 後を見ずに前へ

・前例踏襲主義の撲滅~変化に戸惑うのではなく楽しむ
・「無理」ではなく「どうすればできるか」という前向き思考
・ピンチをチャンスに。失敗を喜びアクシデントに感謝する。

3 和をもって貴しと為す

・ベテランは職場を陰から支え,年下をほめて育てるのが仕事。
・ひと言目は「エッ?」ではなく「ハイ!」
・ストレスの平等分配(みんなが少しずつしんどい思いを分け合う)
・特に新任職員と1年担任は「みんなで支える」

4 長所のみを見る,文句を言わない

・批判から入らない。ほめてくれないから自慢したくなる。
・他人の良いところのみを学ぶ。言っても変わらないので指摘しない。
・しつこいほど確認する。話は「届いてなんぼ」
・コミュニケーションの基本は「ありがとう」「ごめんなさい」

5 すぐできることはすぐやる

・2週間先を見て仕事をする。締切は守る。
・事務仕事はちゃっちゃと済ませ,生徒に関わる時間を創りだす。
・早く学校に来ると幸せな一日になる。
・5分でも交差点に立ちましょう。意識が変わります。

豪快でポジティブな校長に率いられるチームオオガキのこれからに目が離せない!

広島県立大柿高等学校

〒737-2213 広島県江田島市大柿町大原1118−1

0823-57-2055

 

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