秘すれば花 世阿弥

きょうのことば

2016/11/02

きょうのことば 2016年11月2日

芸術の秋にちなんで、11月は日本の古典芸能にまつわる言葉を紹介する。
世阿弥(1363-1443)の言葉をもう一つ、この言葉、日本人の美意識に強く影響を与えている。

室町時代初期に生まれ、大和猿楽の大家だった観阿弥とともに、能楽の完成を目指した世阿弥の著書「花伝書(風姿花伝)」にある言葉。

世阿弥はこの著書で「花」を、美しくて感動を与える最上のものと定めた。

ここに「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず

という一文がある。

素晴らしいもの、美しいものも、あけっぴらに見せびらかしては、その価値は半減してしまう。

さりげなく、隠しながら見せてこそ、値打ちがある。感動を与えるということ。

日本人は「秘すれば花」を、大事にしてきた。

おいしい料理をわざと質素な器に入れたり、豪華な宝石を無地のシンプルな着物につけたりするようなセンスを「美しい=花」ととらえてきた。

西洋風の派手さ、自己主張の強さとは異なる表現の原点は、700年以上前の芸術家、世阿弥までさかのぼるのだ。

Crick

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