お浄瑠璃と文楽は 違いまっせ! 古典芸能 文楽
きょうのことば
2016/11/08
きょうのことば 2016年11月8日
芸術の秋にちなんで、11月は日本の古典芸能にまつわる言葉を紹介する。
「文楽」は、古典芸能の中では唯一「大阪弁」が基本の芸能だ。
「文楽」というのは、もともとは「文楽座」という大阪の劇場で始まった「人形浄瑠璃」の一座のことだ。
「人形浄瑠璃」とは、「浄瑠璃節」という音楽に合わせて人形が縁起をする人形劇だ。
「浄瑠璃節」はいわゆる「語り物」の一つの流れで、登場人物のセリフが音楽になっている。西洋のオペラや中国の京劇に近い。
「浄瑠璃節」には「清元」「常磐津」などの音楽ジャンルがあるが、大阪の「人形浄瑠璃」では圧倒的に「義太夫節」が多かったので、「人形浄瑠璃」と言えば「義太夫節」ということになった。
その「人形浄瑠璃」のメッカが「文楽座」。
いつしか「文楽」といえば、「義太夫節」の「人形浄瑠璃」のことになったのだ。
しかし「浄瑠璃」と「文楽」は示す範囲も違えば、中身も違う。
関東の人が「大阪の浄瑠璃は」という話を切り出すと、大阪の文楽好きは
「お浄瑠璃と文楽は 違いまっせ!」
と切り返したりする。古典芸能の世界はなかなか難しいのだ。