寄席の「色物」
きょうのことば
2016/11/27
きょうのことば 2016年11月27日
芸術の秋にちなんで、11月は日本の古典芸能にまつわる言葉を紹介する。
寄席の演芸には「色物」と言われるカテゴリーがある。
寄席は基本的に落語を公演するための劇場だ。しかし落語ばかりだと変化に乏しいので、漫才や曲芸、音曲(三味線)、手品(マジック)、マリオネットなど、その他の芸能も交えていく。
寄席では出演者の看板をずらっと掲げるが、落語は墨一色で掲げ、それ以外の芸能は、その芸能ジャンルを赤字にするル―ルになっている。
お客さんに、どんな芸人が出演し、落語は誰で、その他の芸能は誰かを知らせるためだ。
寄席で行われる落語以外の芸能は赤字の看板になることから「色物」と言われている。
東京では「色物」の芸人も、落語協会、落語芸術協会に所属している場合が多い。
かつては「色物芸人」は、落語家よりも身分が低いと言われたが、漫才師などに売れっ子が出て、その序列は今や崩れている。