「いつもより多めに回しております」
きょうのことば
2016/11/28
きょうのことば 2016年11月28日
芸術の秋にちなんで、11月は日本の古典芸能にまつわる言葉を紹介する。
寄席の「色物」の中に「曲芸」というジャンルがある。
一人、または二人以上の芸人が着物姿で舞台に立ち、傘の上でものを回したりする。
寄席の「曲芸」を「大神楽」という。元は神事で神様に奉納する芸能だったが、寄席で演じるようになった。
少し前までは海老一染之助、染太郎という人気コンビがいて、正月は大活躍。
傘の上で毬などを回しながら、
「いつもより多めに回しております」
というのが決まり文句だった。海老一一門は寄席囃子でも第一人者だった。
太神楽にも「一門」があり、「海老一」のほかに「丸一」「鏡味」も有名だ。
1965年にビートルズが日本にやってきたときに、前座バンドのボーカルだった尾藤 イサオは、太神楽の「鏡味家」の芸人で、天才的と言われた曲芸師だったが、音楽の道に進んだ。
今も大神楽は寄席、大道芸で人気だ。